2017/10/31

ベストフレンズアニマルソサエティと、その新しい試み1

dog actuallyにてベストフレンズアニマルソサエティのことを初めて紹介した時の記事です。
アメリカの動物保護のことを書こうと思うと、マディ基金とベストフレンズのこと抜きには始まらないのでね。

どちらも規模の大きな組織なので批判意見もあるけれど、救われている人や動物がたくさんいるのも本当だし、ASPCAやHSUSとは違う方向のアメリカの大規模組織のこと紹介しておきたいというのは今も思っています。
真似してほしいとか、こうあるべきとか言うのではなく、他の事例を知っておくことって大切ですもんね。

長かったので2つに分けています。


ベストフレンズアニマルソサエティが発行している案内と教育用のリーフレット


(以下dog actually 2012年2月27日掲載記事より)

ベストフレンズアニマルソサエティはアメリカはユタ州ケナブという街に本拠地を置く動物保護団体です。BEST FRIENDS ANIMAL SOCIETY
ケナブの国立公園の中にベストフレンズアニマルサンクチュアリという世界最大級の保護施設を擁し、犬、猫、うさぎ、馬、山羊、豚、鳥類、その他野生動物も含めて常時約2000匹の動物が施設で暮らしています。施設の敷地面積は3万3000エーカー(約4千万坪)東京ディズニーランド260個分以上と言うと、そのけた外れの広さが想像いただけるでしょうか。
ベストフレンズはNo Killをポリシーとする保護団体で、地元ユタ州を始め多くの地域をNo Killコミュニティとすることに力を注いでいます。No Killというのは書いて字のごとく殺処分を行わないという意味です。病気や怪我で治療の施し様のない動物を苦しみから解き放つための安楽死以外は、どのような理由があっても動物を殺さないというわけです。
攻撃性が強過ぎるなど、里親募集が不可能と思われる犬は多くの動物シェルターでは殺処分となるのが普通ですが、ベストフレンズではそういう動物も受け入れ、最大限のリハビリを施します。(それだけのノウハウも人材も設備も揃っています。)最終的に新しい家族を見つけることができなくても、動物は快適な環境で十分なケアを受けながら一生を施設の中で過ごします。
精神的なリハビリが困難な動物、高度治療が必要で普通のシェルターでは対応できない動物などが全国からベストフレンズに連れて来られ、心と体のリハビリを受けています。
ベストフレンズには立派な設備のクリニックが設けられ専属の獣医師が複数常勤しています。治療が可能で回復の見込みがあるならば、どれだけの費用がかかろうとも必ず治療するというのもポリシーのひとつです。施設内のクリニックで対応し切れない場合は専門医への協力も依頼します。
施設の運営は全て民間からの寄付でまかなわれていますが、寄付の集め方は単純に現金や小切手を集めるだけでなく、さまざまな工夫がなされています。団体の活動内容をドキュメンタリーにした書籍や雑誌の出版、魅力的なキャラクターグッズの販売、施設の見学ツアーの実施などが積極的に行われており、人の目が集まって、それにつれて資金も集まって来るという仕組みです。
サンクチュアリの中で犬達が暮らしている場所は「ドッグタウン」と呼ばれ、犬達がリハビリを受けながら新しい家族に引き取られるのを待っています。
ナショナルジオグラフィックチャンネルでは2008年から2010年まで「ドッグタウン」というタイトルで、ここに暮らす犬達や世話をする人々のドキュメンタリー番組を放送していました。日本でも放送されていたのでご存知の方もいるかと思います。番組は現在でも繰り返し再放送される人気番組で、ベストフレンズの知名度を上げ寄付金を集めるのに大いに貢献しました。
ドッグタウンに暮らす犬達は2~3頭で1つの犬舎をシェアしています。犬舎には小さなドッグランと屋内の寝室がついており、いつでも中と外を行き来できるようになっています。広大な敷地には山も川も谷も平原もすべて揃っているので、散歩や運動には事欠かない犬にとってはパラダイスのような場所です。
このユタ州のサンクチュアリだけでなく、ベストフレンズは全米各地で地元の保護団体とのコラボレーション企画も多く行っています。犬や猫の譲渡会、ドッグウォークなどのイベントは知名度の高いベストフレンズの名前があれば集客率が大きく変わります。小さく経験の浅い保護団体には運営のノウハウの指導も行い、アメリカ全土をNo Killの場所にして、ホームレス動物がいない世界を作るというのが彼らの目標です。
こちらはベストフレンズ制作のドッグタウンの紹介ビデオです。



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