(photo by Crazypitbull )
もっと早くにアップしようと思っていたのに、なかなか時間が取れなくてすっかり遅くなってしまいました。
2016年にカナダのモントリオール市で持ち上がったピットブルタイプの犬の飼育禁止の条例の続報です。
この記事に先立って、以前にdog actuallyに書いた特定犬種規制が持つ問題点の記事を再掲しています。
2016年にはSMILES@LAのブログでこの問題を書いたのですが、今読み返してみるとすごい勢いで怒っていてちょっと驚いた(自分で書いたのにね)
当時モントリオールがピットブルタイプの犬の飼い主に課した要件は次のもの。
・飼い主は18歳以上で犯罪歴がないこと
・登録料150ドルを支払って、飼育許可証を受けること
・公共の場に出るときにはマズルガード着用
・外出の際は1.25mのリードを使用
・要件を満たさない場合は、殺処分命令を下す
・登録料150ドルを支払って、飼育許可証を受けること
・公共の場に出るときにはマズルガード着用
・外出の際は1.25mのリードを使用
・要件を満たさない場合は、殺処分命令を下す
しかもこの要件が発表されて1週間以内に許可証を受けなくてはいけないという無茶なものでした。
結局、この件は動物保護団体や反対派の議員が裁判所に違法性を訴え、条例施行の一時停止命令が下りました。
その後、ピットタイプの犬の飼い主は2017年の4月上旬の期日までに飼育許可証を取らなくてはいけないということになりました。
この間も動物保護団体や賛同する人々によって、特定犬種規制に反対する運動はさまざまな形で続いていました。
そして2017年12月、ピットブルタイプの犬に関する規制が解除され、2018年5月には犬種ではなく飼い主の責任に焦点を当てた法律を制定することが市長によってアナウンスされました。
「え?この突然の方向転換はなに?」と驚きですが、選挙によって市長が違う人物に変わったんですね。
この選挙に関してどんな詳細があったのか、残念ながらわからないのですが、運動を続けた人々の努力なしにはなかったことでしょう。
(photo by TC-TORRES )
モントリオールの市議会ではペットの飼い主たちへの教育を討議の中心的なテーマにするとのこと。
また、犯罪歴や動物虐待の履歴がある場合、ペットの飼育を禁止することも検討しているそうです。
現在モントリオール市は、市のウェブサイトでアンケート調査の実施や、市民が提案を書き込むことができるように設定しているそうです。
モントリオール市、良い方向に向かっているようでよかったです。
犬による咬傷事故が怖いという人々にとっても、特定の犬種だけ規制するというのは意味のないことですもんね。ピットブルタイプの犬に咬まれなくても、他の犬種に咬まれたら同じことですから。
モントリオール市のあるケベック州では州議会が特定犬種の規制を希望しているようで、まだまだ安心はできません。けれどもこのモントリオールの特定犬種規制の条例を無効にした実績を持つ人々の熱意と行動を信じたいと思います。
市民による地道な運動や投票が、犬を取り巻く環境を変えた実例のひとつとして知っていただけたら幸いです。
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