dog actuallyでは基本的に「アメリカの犬事情」が私の守備範囲でしたので、この記事で書いたペットフードの肉の定義もアメリカのことです。
参考までに日本ではミールの定義がアメリカとは違います。
日本の基準では、ミールには肉粉と肉骨粉があります。
肉粉とは精肉として人間の食用部分を切り取った後に残った肉と切り取った脂肪を脱脂した後、挽いて乾燥させたものです。
搾った脂は食用油脂などの製品になります。
肉粉には内臓も含まれます。毛、歯、ひづめは含まれません。
肉骨粉には、肉、脂肪、内臓の他、骨、ひづめ、なども含まれます。
家禽の場合は頭、足、内臓、羽も含まれます。
(以下 dog actually 2015年7月6日掲載記事より)
(photo by Lernestorod )
愛犬が毎日食べているドッグフード、原材料に様々なお肉が使われていますね。その具体的な定義ってどうなっているんだろうと思われたことはありませんか。
今回ご紹介する表示規定はAssociation of American Feed Control Officials(AAFCO=アメリカ飼料検査官協会)が定めているものですが、日本のペットフード公正取引協議会の基準もAAFCOの栄養基準を採用していますので、皆さんが普段ご愛犬に与えているフードの参考になるかと思います。
ペットショップや専門店で手に入るペットフードのパッケージには大きな塊のお肉や新鮮そうなサーモンの切り身など、人間が食べても美味しそうな食材の写真やイラストが描かれています。パッケージの裏の原材料表を見ると、表に描かれていたイメージとは裏腹に牛肉や鮭といった文字が見当たらない!?なんてこともよくあります。用心深くフードを吟味する飼い主さんならパッケージの表だけでなく、原材料一覧をじっくり読んでフードを選んで来られることもあるでしょう。
実際には、ペットフードにパッケージのようなきれいな切り身部分だけが使用されているということはあまりありません(高級缶フードなどでは塊のお肉がゴロッと入っていることもありますが。)ペットフードに使用されている食肉の具体的な規定は以下のようになっています。
- 家畜肉(牛肉、豚肉、羊肉、バイソンなど)
屠殺された家畜の筋組織を指す。ただし通常筋肉に付随している脂肪、軟骨、腱、神経、血管及び心臓を含む。骨は含まれない。
フードの製造者は牛肉、豚肉など、何の肉を使っているかを表示することができます。単に「肉」とだけ表示する場合は牛、豚、羊、山羊の4種のみが許されます。その他の肉を使用している場合はバッファローやベニソンなどと個別に明記する必要があります。
ちなみに原材料表の中でよく目にする「ミール(肉粉)」の規定は、加熱加工した(多くは挽いて乾燥させている)動物の組織のことです。血液、毛、ひづめ、角、皮、胃腸とその内容物は含みません。家畜肉の規定とは違って、牛、豚、羊、山羊以外の動物の肉を使用している場合も単に「ミートミール」と表示することができます。
家畜肉にもミールにも含まれない、肺、脾臓、脳、肝臓、血液、骨、胃、腸及びその内容物は食肉副産物(バイプロダクト)と呼ばれます。食肉副産物には毛、角、歯、ひづめは含まれません。家畜肉の場合と同じように、単に食肉副産物と表示できるのは牛、豚、羊、山羊の4種のみで、それ以外の動物を原料にした場合には個別の表示が必要です。
- 家禽肉(鶏肉、七面鳥、アヒルなど)
骨抜き、または骨付きの家禽の肉と皮を指す。頭、足、内臓は含まない。
チキンミール、ターキーミールなどの家禽ミールは肉、皮、骨を細かく挽いて乾燥加工したものです。羽、頭、足、内臓は含まれません。
家禽肉にもミールにも含まれない、頭、足、内臓、卵管内容物は家禽副産物(バイプロダクト)と呼ばれます。ここには羽は含まれません。
- 魚肉
魚まるごと全て、またはフィレ部分を切り落とした後の残りの部分を指す。
つまり原材料に鮭、マグロと魚の名が書かれていれば頭も骨も内臓も使われていると考えて差し支えありません。
魚肉を挽いて乾燥加工したものはフィッシュミールと呼ばれます。
多くの場合、ペットフードには肉でも魚でも人間が食べない骨や内臓肉が使用されています。これは栄養的な面ではむしろ優れたことで、決して悪いことではありません。
多くの場合、ペットフードには肉でも魚でも人間が食べない骨や内臓肉が使用されています。これは栄養的な面ではむしろ優れたことで、決して悪いことではありません。
ただ、フードによってお腹がゆるくなったり便秘気味になったりする場合、「牛肉」と表示されている原料に含まれる腱や靭帯が消化不良の原因になっていたり、ミールに含まれる骨が便を固くする原因になることもあるので、フードに使われる原材料の詳細な意味を知っておくのは大切なことです。
家畜肉のミールの項で、具体的な肉の種類を書かずに「ミートミール」という表示をすることができると書きましたが、メーカーによって「ラムミール」「ダックミール」などと種類を明記している場合も多くあります。
また日本では、原材料に鶏肉、チキンミール、鶏肉副産物のうち2つ又は3つが含まれている場合「鶏肉など」「鶏肉類」という表示をすることができますが、これもメーカーによってきちんと個別に表示している場合も多く見られます。
アレルギーが疑われる食材を避けたい場合や、愛犬が食べているものを把握しておくという意味でも、具体的な表示をしているフードというのは選択の理由のひとつになるかと思います。
フードの原材料一覧、眺めていると自然と眉間にシワが寄ってしまうのですが、大切な愛犬のために知っておきたいものです。
【参考サイト】
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