ドッグフードに過剰なビタミンDで製品回収
自分でも良くないなと反省しているのですが、私は市販のドッグフードをあまり使わない為リコール情報は軽くチェックする程度で流してしまうことが多いのです。
けれど、そんな私でも去年の秋から始まって未だに終わらない「過剰な量のビタミンDに由来する製品回収」には「え?また?多いなあ」と思っていました。
「これはお知らせしておいた方が良さそう」と思い、ビタミンD の過剰摂取がもたらす健康被害の可能性について記事を一つ書いています。なぜビタミンDの過剰摂取が良くないのか、どんな症状が起きるのか説明しています。
ドッグフードに高レベルのビタミン混入で製品回収。犬の飼い主が知っておきたいこと。
一番たくさんの人の目に触れる場所にと思い、わんちゃんホンポにアップしたのですが、予想よりも反応が大きく「全然知らなかった」という人が多かったことにも驚きました。
最大の被害を出した大手メーカーの対応
アメリカ食品医薬品局は2018年12月初旬に、ビタミンDの件で製品回収をしたメーカーをリストアップして発表しています。
高レベルのビタミンDの混入は、ペットフードのメーカーが原材料として仕入れているフード用マルチビタミンの業者がその配合を誤ったことが原因と伝えられています。
その業者から同じものを仕入れているメーカーには食品医薬品局からの通達がありますし、何よりも同業界内で大規模なリコールが起こっているのに知らない道理がないのですが、ヒルズはこの時点でリコールも行わず製品の製造と出荷を継続していました。
そして2019年1月下旬にヒルズはようやく製品の回収を発表しましたが、これは消費者から飼い犬の健康被害のクレームがあったことからでした。
他のメーカーとは販売量が桁違いに多い大手メーカーですから、その被害も桁違いでした。
2019年3月の時点でビタミンD過剰含有のフードに関連して命を落とした犬は数百匹、腎障害など健康被害に苦しむ犬は数千匹とも伝えられています。
皮肉なことに該当製品の中には処方食も多く含まれていました。もともと体調が悪かった犬たち、中でも腎臓の処方食を食べていた犬はビタミンDの過剰摂取で腎不全が急激に悪化して亡くなった例がたくさんあったようです。
1月下旬にヒルズが製品回収を行った際、ビタミンD過剰含有に該当するロットが公表されたのですが、その後アメリカ食品医薬品局が同社の他のロットも検査したところ、さらにビタミンD過剰の製品が見つかり、回収が延々と続いています。
ヒルズはビタミンの仕入れ先を非難するような論調のコメントを発表していますが、そもそもロット毎のサンプル抜き取り検査をしていれば簡単に発見できるエラーですし、回収をスタートしたのも他のメーカーに比べてずっと遅い時期でした。
当然のことながら、ヒルズに対しての集団訴訟はすでに複数起こっています。今後さらに増えていくことと思われますが、この対応なども引き続き注目して行きます。
日本への影響は?
日本に輸出された製品の中にも該当するものが少量ながらあったとのことで、日本ヒルズのウェブサイトでロット番号などが公表されています。
ヒルズの製品では、過剰なビタミンDの混入が確認されたのは缶詰ドッグフードのみでドライフードやキャットフードは安全とのことです。
他のメーカーではサンシャインミルズが複数のブランドで自主回収を行っています。このメーカーは小規模ながら日本で販売をしていますが、日本に輸出した製品の中には該当するものは無かったようです。
その他のメーカーは日本での販売はないと思うのですが、ヒルズ以外のビタミンD関連のリコールリストを貼っておきます。
https://www.fda.gov/animalveterinary/newsevents/ucm627485.htm
その他のメーカーは日本での販売はないと思うのですが、ヒルズ以外のビタミンD関連のリコールリストを貼っておきます。
https://www.fda.gov/animalveterinary/newsevents/ucm627485.htm
「私ならどうするかな?」という考察
さて、ここからは私が個人的に思うことです。
もし私がヒルズのフードをうちの犬たちに食べさせていたら、これを機会に全面的に止めることでしょう。メーカーが発表したロットの他に第三者の検査でさらに毒性のある製品が見つかったのですから、他は大丈夫と言われても信頼するのは難しいです。
もしなんらかの症状があって獣医師からこのメーカーの処方食を与えるように指示されたら、獣医師にその処方食は普通の製品に比べてどういう点が特別に違うのかを徹底的に確認して、それを踏まえた手作りにするか、もっと小規模なメーカーの処方食を探して「これではダメですか?」と確認するだろうと思います。
アニモンダ、フォルツァ10、ナチュラルハーベスト、などにも症状別の特別フードがありますし、宿南獣医師の療法食というものもあります。
以前にヒルズのフードの原材料にブドウが含まれているという記事を書いたことがあります。
リコール騒動の時に「そう言えばあれはどうなっただろう?」と同社のサイトで確認したら、原材料一覧からgrapeの文字は消えていました。
けれど、日本ヒルズのサイトの当該製品の原材料には相変わらずブドウが含まれています。
獣医師から処方されることも多いブランドですから「そうは言ってもこれ以外に与えるものがない」という方もいるかと思いますし、安直に「与えないでください!」とは言えませんが、本当に他の選択肢がないのかどうか、しっかり調べたり考えたりして大切な愛犬を守ってあげてください。
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