前回のチャンピオンペットフードに対する訴訟の話題の続きです。
チャンピオン社の反応と、その後の対応
さて、訴えられたチャンピオン社の反応はどのようなものだったでしょうか。
3月19日にFacebookにて発表された声明では冒頭から「データの曲解に基づいた根拠のないもの」としています。
またアカナとオリジンのフードは、2つの第三者機関によって検査を受けており、高い基準の安全性を保っているとも述べています。
ごく微量の重金属についても説明がされています。
これらは自然界に鉱物として存在する微量の金属が、原材料を通じて製品に含まれているものだと言うことです。どんな農作物でも水産物でも微量の重金属を含んでいます。
原告からの訴状の中にもある通り、製品中に含まれるとされる重金属は米国食品医薬品局の上限基準を大幅に下回るもので、自然界の食品に含まれている範囲のものです。
また私の個人的な見解で恐縮ですが、私にはこのチャンピオン社の言葉は納得のいくものに思えます。
同社はこの訴訟を受けて、翌月4月13日に訴訟の却下の申し立てを行っています。
つまり全く取り合わないという姿勢を取ったわけですね。
言うまでもないことですが、製品のリコールの予定もありません。
ちなみにチャンピオンペットフード社は本国カナダとアメリカにおいては一度もリコールをしていません。2008年にオーストラリアにおいてのみリコールが行われていますが、これはオーストラリアがペットフードに対してガンマ線照射を義務付けており、同社がこの処置をしていなかったためです。同社はガンマ線照射はオーストラリア以外の国では行っていません。
参考までに日本の農林水産相や厚生労働省が農作物や水産物に含まれる自然由来のヒ素やカドミウム について説明しているサイトをリンクしておきます。
今回のペットフードの件とは関係がないのですが、微量の重金属は自然由来で日本の農作物にも普通に含まれているということの説明です。
原告からの訴状の中にもある通り、製品中に含まれるとされる重金属は米国食品医薬品局の上限基準を大幅に下回るもので、自然界の食品に含まれている範囲のものです。
また私の個人的な見解で恐縮ですが、私にはこのチャンピオン社の言葉は納得のいくものに思えます。
同社はこの訴訟を受けて、翌月4月13日に訴訟の却下の申し立てを行っています。
つまり全く取り合わないという姿勢を取ったわけですね。
言うまでもないことですが、製品のリコールの予定もありません。
ちなみにチャンピオンペットフード社は本国カナダとアメリカにおいては一度もリコールをしていません。2008年にオーストラリアにおいてのみリコールが行われていますが、これはオーストラリアがペットフードに対してガンマ線照射を義務付けており、同社がこの処置をしていなかったためです。同社はガンマ線照射はオーストラリア以外の国では行っていません。
参考までに日本の農林水産相や厚生労働省が農作物や水産物に含まれる自然由来のヒ素やカドミウム について説明しているサイトをリンクしておきます。
今回のペットフードの件とは関係がないのですが、微量の重金属は自然由来で日本の農作物にも普通に含まれているということの説明です。
訴訟はリコールとは別のものだということ
ある企業に対して集団訴訟が起きたという時、それが即「ここの製品は危険だ!」ということにつながるわけではありません。
海外のことなので、なかなか詳細が掴みにくいとは思いますが、もしご自分が利用している製品なら、冷静にその背景を調べてみることをお勧めします。
企業が製品をリコールした場合には、それは企業側が製品に問題があることを認めているわけですから、問題の所在は明らかです。
この点をしっかりと認識して、大切な愛犬の食べるものを見極めたいですね。
消費者が訴訟を起こせるのは悪いことじゃない
今回取り上げた、オリジンとアカナのフードに対する訴訟は、具体的な健康被害の報告もないし、根拠も非常に怪しいもので、私自身は取るに足らないことだと思っています。
最初に書いたように「訴訟は誰にでも起こせる」のです。
けれど消費者が企業を相手取って訴訟を起こすことができるのは悪いことではありません。損害を被った場合には訴訟を起こすことは正当な権利ですし、これができない社会は恐ろしいです。
例えば2015年に起きたネスレピュリナ社に対する集団訴訟。
(これはSMILES@LAに書いたことがあります。「ネスレピュリナ社ドッグフードの集団訴訟の件」)
ピュリナのベネフルというフードを食べた後に具合が悪くなって命を落とした犬が1400匹以上、腎機能障害など深刻な健康被害の報告は数千件に上るという大規模な集団訴訟でした。
これ、本当に本当に腹立たしいのですが具合の悪くなった犬たちを診察した獣医師の証言は「毒物の専門家ではないので信頼性に乏しい」として無効にされ、最終的にピュリナ社が勝訴しました。
超大企業が全力をあげて弁護団を結成して対策を講じたのだと思います。
それでは訴訟を起こしたことは無駄だったのか?というと決してそうではないと思います。ピュリナのベネフルはその後もずっと「最低のフード」の地位を確立しっぱなしですし、この集団訴訟が世間に与えたインパクトは意味のあるものでした。
今回のチャンピオンペットフード社に対する訴訟と比べてみると、いろいろなことが見えてきます。
おわりに
アカナやオリジンのフードを買っている方は多いので、参考になればと思いこの記事を書きました。
このようなことがあると「何を信じればいいの?」と思われる方もいるかもしれません。
私自身は「自分の感覚を信じるしかない」と考えています。そのためにもペットフードの原材料一覧の読み方、それぞれの材料名が意味するところを勉強することが必要です。
私がお勧めしたいのは、とにかく色々なフードの原材料一覧を読みまくることです。
グリーンドッグさんなどは扱うフードの基準が明確で全てのフードの原材料が全部オンライン上で読めます。事あるごとに読んでいると、色々なことがだんだんクリアになってきます。
このブログにもフードのラベルが意味するところを説明した記事がありますので、ぜひ参考になさってください。
また各メーカーのリコールの有無や履歴も調べるとすぐにわかるので、フード選びの参考になさってください。
また各メーカーのリコールの有無や履歴も調べるとすぐにわかるので、フード選びの参考になさってください。
ところで、この記事のパート1でも「どれくらいおかしいかと言うと、ピュリナ社のフードが5つ星なんです」なんてことを書いたり、この記事でもピュリナの訴訟の件を例にしたり「そんなにピュリナが嫌いか?」と思われたかもしれません。
嫌いです。全く信用できないと思っています、個人的にね。