さて、前回からの続きです。
商業的に繁殖された犬、猫、うさぎを店頭で販売することを禁止するカリフォルニア州法の法案が提出された時に、当然ながら反対派も存在しました。
ペット業界合同諮問委員会や、ブリーダー及びペットショップなどの小売業協会は生産した(イヤな言葉ですね)動物を販売する機会が減るわけですから当然反対の立場でした。
そして反対派の筆頭に立ったのはアメリカンケネルクラブ(AKC)でした。
(AKCはパピーミル撲滅運動などの際には毎度毎度大規模な反対運動を展開するんですけれどね。)
今回のAKCは「この法律によって、カリフォルニア州のペットラバーは選択の幅が狭められ欲しくもない保護犬を押し付けられることになる。一般の人が犬に関する知識を持った専門家や責任ある良質なブリーダーに接触することをできなくするものだ。」というキャンペーンを実施しました。
これは言うまでもなく
(ブリーダーに認められないと子犬を譲ってもらえないとか、何年も待たなくてはいけないとかいう場合はありますけれどね。)
きちんとしたシリアスブリーダーなら、ペットショップに子犬を卸すことなどあり得ないので、この法律が成立しても何の影響もありません。
反対派のブリーダーの中には
「この法律が施行されると、隣国のメキシコだけでなく遠く離れたエジプトや韓国などから犬を連れてきてペットショップで販売されるようになる。これらの国の犬は恐ろしい伝染病や寄生虫を持っているのが普通である。」と主張して、署名サイトで反対署名を募る者さえいました。
幸か不幸か、カリフォルニアだけで十分な保護犬が発生しますので、外国から犬を連れてくる必要はないんですけれどね。
(メキシコは隣だし、実際メキシコの保護犬がカリフォルニアに来ることはあるけれど、エジプトとか韓国とかどこから出てきたんでしょうね。それにしてもすごい主張だ 笑)
幸いにも反対派の活動は実ることなく、この新しい法律が制定されました。
法案が可決された影には議員だけでなく、ベストフレンズアニマルソサエティやラストチャンスフォーアニマルズなどの大規模保護団体の協力もありました。
(Last Chance for Animalsというのは以前にシーザーさんの番組でパピーミルに潜入取材をした時に協力していた団体です。こちらね。)
一般の人の中にも「保護犬なんか欲しくない」「家庭でやってるようなブリーダーは敷居が高い」として、ペットショップで動物が買えないことを不満に思う人はいるんですけれどね。売ってなければ仕方がないわけで、やっぱりこういう法律を作ってガッチリと根元を締めることは不可欠だと思います。
来年は5年に一度の動物愛護法改正の年。国民が意見を届ける場も設けられるはずです。そんな時、外国の例でも具体的な例を挙げることは説得力を生みます。
ささやかながら参考になれば幸いです。
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