2017/10/31

ベストフレンズアニマルソサエティと、その新しい試み2




(以下dog actually 2012年2月27日掲載記事より)

ずいぶんと長い前置きになってしまいましたが、このベストフレンズアニマルソサエティがロサンゼルスで新しい試みをスタートさせました。
私営の動物保護団体として初めて、公の自治体と共同で動物保護施設の運営を始めたのです。
2012年2月16日、ロサンゼルス市北部のミッションヒルズにベストフレンズペットアダプション/避妊去勢手術センターがオープンしました。
この施設は2008年にロサンゼルス市が市営の動物シェルターとして1900万ドルをかけて建設したのですが、自治体の財政難による予算カットのため、十分なスタッフを揃えることが出来ず、ほんの申し訳程度にしか利用されていませんでした。
それに対してベストフレンズが「全ての運営費用を負担するので、この施設を市とベストフレンズの共同シェルター兼避妊去勢手術クリニックとして運営させてもらえないか」と提案をしたのです。 
市としては財政負担なしで施設の活用が出来、他の市営シェルターの犬や猫の移送もできるということで、議会の大多数の賛成を得てこの提案を承認したのが2011年8月のことでした。
その後、様々な手続きやインテリアの変更などを経て、つい先日センターはグランドオープンを迎える事が出来ました。オープンの日には市長やベストフレンズサポーターのハリウッドセレブも駆けつけての華やかなレセプションが開かれたようです。このオープンの日だけで合計30頭の犬や猫に新しい家族が見つかったそうです。
我が家からそう遠くない場所ですので、オープンの日ではありませんが私も見学に行って参りました。

センターの入り口部分。カリフォルニアらしいスペイン風を模したお洒落な外観。入ってすぐの受け付けや案内のコーナーも明るく洒落た雰囲気。インテリアは有名デザイナーの手によるものだが、これもデザイナーからの「労力の寄付」という形で無償で行われている。



現在この施設には犬が109頭、猫が35頭、新しい家族に引き取られるのを待っています。犬も猫も清潔で毛並みも良く、落ち着いた様子をしているのが印象的でした。ストレスフルに吠え立てる犬はおらず、犬舎に近寄ると好奇心から少し吠える犬がいる程度でした。
スタッフやボランティアの数も多く、特にスタッフは皆とてもフレンドリーで感じが良く、知識も豊富です。こちらが犬を見ていると、すぐに声をかけて犬の性格や特徴を詳しく教えてくれました。つまり犬達はきちんと個性を把握され、目も手も行き届いているわけですね。
また安価で避妊去勢手術を提供するクリニックがあるため、医療関係者の数が多いのが目につきました。


ゆったりくつろぐロットワイラー。左手前は水飲み器、後ろが寝室。もともと市の施設として作られたので、残念ながら犬舎は「ドッグタウン仕様」ではない。大型犬は一頭ずつ、小型犬は2頭で犬舎をシェアしている。


犬舎から運動場などに自由に行き来することはできませんが、スタッフやボランティアが入れ替わり立ち替わり犬達を散歩に連れ出していました。
施設内には散歩用のトレイルが設けられていて、里親希望者と犬のお試し散歩用にも使われます。
また近くには大きな公園もあり、犬の施設としては悪くない周辺環境でした。
犬や猫を引き取る際には、避妊去勢手術やマイクロチップの諸経費として100ドルがかかります。
里親希望の人とじっくり話をするためのコンサルタントルームも設けられ、シェルターから動物を引き取るのが初めての人でも色々な相談に親切に応えてもらえます。
何よりもその場のオープンで明るい雰囲気と親しみ易いスタッフの応対が来訪者に安心感を与える感じでした。

アメリカでも1、2を争う有名保護団体であるベストフレンズと、メジャーな大都市であるロサンゼルス市のコラボレーションは今後アメリカの他の自治体にも影響を与えていくであろうと大きな注目を集めています。
立派な設備は持っていてもそれを活かす運営のできない自治体と、運営のノウハウは持っていても新しい設備を建てる資金力を持たない保護団体。お互いが垣根を取り払って協力できれば、税金の無駄遣いも抑えられ、多くの命が救われることにもなります。
日本や他の国でも参考になる部分があればいいなと思います。

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