2020/11/18

セカンドファーストドッグ

これは2013年にdog actuallyに書いた記事です。
バイデン次期大統領の愛犬が話題になっているので、この記事も再掲しておきます。

(以下dog actually 2013-08-26 より)


(The White House from Washington, DC, Public domain, via Wikimedia Commons)


セカンド・ファーストドッグ、2頭目のファーストドッグですね。日本のニュースでも報道されていたのでご存知の方も多いかと思いますが、8月19日にオバマ大統領一家に新しい家族が加わったと発表がありました。ホワイトハウスの公式ブログで発表された犬の名前はサニー。先住犬のボーと同じく、ポーチュギーズウォータードッグという犬種です。
上の写真の左にいる胸と前足が白いのがボー、右側の真っ黒なのがサニーです。

2008年の大統領選の折、「当選したら子犬を迎える」とオバマ氏がお嬢さん2人に"公約"したエピソードは有名ですが、無事に当選した後にオバマ大統領は、「セカンドハンドの犬を迎えたい。」と発言しました。セカンドハンド=中古品、つまり保護犬を迎えたいという意味だったのですが、この発言に当時アメリカのみならず、隣国のカナダの動物保護団体までが色めき立ち、「ぜひうちの団体から!」の声が殺到して収集がつかなくなったという背景がありました。
結局、オバマ一家の長年の友人でもあるケネディ上院議員が間に入って、テキサスのブリーダーから迎えられたのがボーでした。ケネディ上院議員の愛犬はボーの同胎犬の一頭です。ボーは一度はある家庭に引き取られたのですが、何か事情があってブリーダーのところに戻って来た犬なので、確かに「セカンドハンドの犬」ではありました。
そんなこともあってか、今回はサニーが実際にホワイトハウスに到着するまで、2頭目の犬を迎えるという話題は出ていませんでした。去年の11月の大統領選で再選を決めた直後のスピーチで大統領は、「マリア、サーシャ、我が家の犬は1頭でいいと思うんだ。」と言って会場を沸かせていましたが、選挙直前の去年の10月には、ミシェル夫人がツイッターで「ボーには他の犬とのふれあいが足りないように思う。何か考えてやらないと」と書いていたので、2頭目計画は秘かに進行していたのかもしれませんね。
さて、ブリーダーや血統まで公式に発表されているボーと違って、サニーの出自についてはそれほど多く語られていません。現在1歳2ヶ月で、ミシガン州で産まれた雌犬ということだけが伝えられています。
このことに関して「今回も純血種の犬を迎えた。どうして大統領一家は保護犬を迎えるという選択をしないのか。」と批判する声も一部で上がっています。Humane Society of the United States(米国動物愛護協会)の代表ウェイン・パーセル氏も自身のブログで、保護犬を迎えることを考えて欲しかったと述べています。純血種の犬種別レスキューも多く存在しますから、純血種を迎えたからと言ってそれが保護犬ではないとは一概に言えないですし、サニーの1歳2ヶ月という年齢を考えても、何らかの形でレスキューされた犬である可能性もあるのでは?と私は勝手に推測しているのですが。
ちなみに、大統領一家はサニーを迎えたことを記念してWashington Humane Society(ワシントン動物愛護協会)に寄付をすることを発表しています。たとえサニーが保護犬ではなかったとしても、こうして国民の目が保護団体やそこで暮らしている動物達に向けられることは大歓迎ですね。
国内外の様々な問題や相変わらずの失業率の高さなどで支持率が低下気味のオバマ大統領ですが、サニーの役目はもちろんそんなこととは関係なく、ボーと楽しく遊ぶことが彼女の目下の一番の任務です。そしてサニーは今のところ、立派に勤めを果たしている様子。


5歳になって、今まで通り元気いっぱいながらも落ち着きが感じられはじめたボーと、名前の通り太陽のような性格だというサニーは、もうすでに仲の良い兄妹として認め合っているようですね。ボーは去勢手術済みなので、オバマ一家が自家繁殖を行うという可能性は全くありません。
最後にひとつ。4年前、ボーがホワイトハウスに来た時にポーチュギーズウォータードッグという珍しい犬種が話題になりましたが、現在もこの犬種は珍しいままで、話題になって町中で見かけるようになったと言う現象は起こっていません。
映画やCMで話題になった犬種が流行するという傾向の強いアメリカですから少し心配していたのですが、杞憂に終わってホッとしているところです。

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